「BE・LOVE」で連載されている『ゼイチョー!~納税課第三収納係~』。新人徴税吏員(りいん)・百目鬼華子(どうめき・はなこ)が主人公の公務員お仕事漫画である。
徴税吏員という耳慣れないこの職業、主な業務は納税処理と滞納対策だ。税金未納者の経済状況を把握し、自宅に電話をかけ、訪問し、時に財産を差し押さえて税金を納めてもらうよう促すのが仕事だ。
プライベートに立ち入らざるを得ないだけに滞納者側の拒絶反応は大きく、取立屋かのような扱いを受ける場合もある。それでも華子は税法の知識を駆使して真正面から向き合い、税金を完納するため、何より滞納者のために様々な問題を解決していくのだ。
(出典:講談社)
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題材としてはかなり面白い。
税金の話ってどうしても"難しい"というイメージがついて回るので
漫画でストーリーありきの知識モノってのは取っ付き易い。
登場人物たちに動機や原因があるので税のことを学ぶには"いい例"として理解し易い。
どうしても必要があって税のことを調べても
具体例がないから説明を読んでもどこか腹落ちせず理解に到達しないことは多い。
そのモヤモヤを少しずつ払拭するにはいい漫画だし、絵も綺麗だから拒否反応は少ない。
主人公はお金に困っていた過去からお金には細かい。
そして同じく"今お金に困っている人たち"のために努力を惜しまず
様々な納税滞納者のトラブルを回避し、生活の豊かにするため奔走する。
いくつか1巻よりストーリー概要を抜粋すると以下。
・病気の母のためフルタイムでは働けないアルバイターの税金控除の話。
・妻と死別し孤独と戦うも自営業がうまくいかず自殺を図ってしまう和菓子屋さんの話。
・シングルファーザーで多忙な仕事に子育てが満足にできず、誰にも頼れず
忙しい毎日で生活の楽しみが徐々に苛立ちに変わってしまうビジネスマンの話。
どの話も、私たちの人生に関わりのあるかもしれない普通の人たちのお話。
ただただ納税滞納者の集金に回るだけでなく
市民の豊かな生活のために、取立てだけでなく生活の立て直しに真摯に向き合う主人公。
ストーリーによっては、税金関係ある?みたいな出だしもあるものの
それって税金の見直しに関連するのか…という気付きも与えてくれる漫画。
2017年1月現在、既刊3巻までなので是非読み始めてみてほしい。
題材の割に中身は堅苦しくも難しくもなく、いい話が多いので。是非。
over.